© 2000-2024, Kyu-hachi TABATA | Last updated
2014/04/18 |
カンディン スキー展 (図録) |
ロシア・ソビエ
ト国宝絵画展 (図録) |
ロシア絵画の巨匠 イリヤ・レーピン展 (図録) |
イリヤ・レーピン展 (図録) |
ロシアの美術 −トレチャコフ 美術館物語− |
図説・ロシアの歴史 |
? |
? |
? |
? |
デ・ヤ・ベスルコーワ 本田純一訳 |
栗生沢 猛夫 |
1987 |
1975 |
1978 |
2012 |
1976 |
2010 |
東京国立近代美術館 | 三越日本橋 |
三越日本橋 |
Bunkamura | 新潮社 |
河 出書房 |
ムソルグスキーの「展覧会の絵」の音楽を聴いて、カンディ
ンス キーが描
きあげた「展覧会の絵」シリーズの絵が9枚紹介されている。数枚ならば、他の絵画集でも見ることができるが、これほどまとまって
紹介されているのは、私の 知る限り他にはない。そして、このシリーズ絵についての解説もかなりしっかりと書かれている。 |
ソ連邦芸術アカデミー、ロシア美術館、トレチャコフ美術館、ソ連邦美術家同盟などの所蔵作品
をベースにした作品展。冒頭を飾るのはレーピンの「ボルガの曳き舟人」である。圧巻である。いくつかの習作があるが、最終作
である本作が国外に出ることはごく珍しいことである。 |
日本ではさほど知られていないが、レーピンはロシア最大の巨匠であり、日本では最初のレーピ
ン展の際に作られたのがこの図録である。代表作の「ボルガ」は無いものの、トルストイ、スターソフ、ルピンスタイン、自画像
など有名なものがいくつも来ていたようだ。 |
渋谷の Bunkamura でレーピン展が開催された。「ボルガの船曳き」こそ来なかったが、圧倒的な量と質で、図録の資料性もきわめて高い。「ボルガ」や「ザポロージャのコ
サック」の習作、「夕べの宴」、「背の曲がった男」などにも圧倒されたが、何よりも、ムソルグスキーの肖像画を見ることがで
きて、そのリアリティに驚き、かつ至福を感じた。まるでムソルグスキーが生きてそこに立っているようだった。このほか、多く
の絵がロシアの歴史やコサックなどの民族をよく表現しており、ロシアの風土がよく伝わってくる絵画展だった。 |
ムソルグスキーたち5人組やチャイコフスキー、ルーピンスタインなどの時代は、同時に文学で
はトルストイ、美術ではレーピンやクラムスコイといったすぐれた芸術家がいた。このロシアの画家たちを支援し、膨大なコレク
ションをして、後には美術館ごとモスクワ市に寄贈したのがトレチャコフ兄弟である。この本にはそのトレチャコフ兄の生涯を追
いつつ、画家との交流や画家たちがどのようにして絵を描いていたのかが丁寧に描かれてる。レーピンがムソルグスキーを描いた
時の様子などもくわしい。 |
ロシアの全歴史をコンパクトにまとめた本。簡 潔な文章と豊富な写真(絵)が、読む者を飽きさ せない。個人的には絵の多くが、トレチャコフの時代の画家の代表作であることがありがたい。当時の画家たちの主要なモチーフ がロシア史なのだが、ロシア史を学びつつ、ロシア芸術への理解を深めることができた。ロシア音楽だけでなく、ロシア絵画 の探 究にもこの本は手放せない。左にあげた「ロシアの美術」を読むとこの本にある絵画のひとつひとつがロシアを代表する絵画でもあることに気づく。 |
とびら へ | 前へ
次へ |
↑ トップへ |